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書評 『バタをひとさじ、玉子を3コ』 ―食事の温かさと異国情緒―

 近頃、「料理」に関するマンガやエッセイが巷では流行しているという。そのブームに乗ってか、40年以上前に書かれた料理エッセイの短編集、『バタをひとさじ、玉子を3コ』が4年前に発刊された。筆者であるシャンソン歌手の石井好子さんは、自他ともに認める食いしん坊。活動拠点だったパリの食事や思い出が、少女のような素直さと好奇心によって書き記されている。
 決して、表現が複雑なわけでも、美食家のようにお高く留まっているわけでもない。しかし、読み進めていくうちに、なぜか口の中に唾液がたまり、腹が鳴る。そして、我慢しきれず台所に立ち、フライパンをふるってしまう魔力が、この本にはあるのだ。
 戦後間もないパリの下宿で、マダムが作ったバターたっぷりのオムレツを食べたとき、石井さんは感慨深げにこう言う。「『おいしいな』わたしはしみじみとオムレツが好きだと思い、オムレツってなんておいしいのだろうと思った。」
 この言葉はとても単純だ。しかし、単純だからこそ食事の神髄であるような気がする。温かく湯気の立つ食べ物。愛する人との団欒。目まぐるしい日々を送る中、食卓を囲む時間くらいは、幸福でほっとするものがいい。最近、食べログなどで、変にグルメや評論家を気取る人が多い。おいしいものはおいしい、それでいいではないか。本書を通じて、石井さんが私たちにそう囁いているような気がしてならない。【森元 茜】
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